今週の入荷情報をまとめて紹介!
阿部酒造
『パークスロープ』
500ml 2,365円(税込)
SakeBrooklyn Brewing Co.が日本の酒蔵を間借りして造る”SakeBrooklyn LAB”シリーズの第一弾商品。
阿部酒造卒業生であるSakeBrooklynの上田氏が卒業作のレシピを基にブラッシュアップ。NYでの定番商品になるよう伝統的な製法を使いつつもモダンな味わいを目指しました。
"上田 睦紘 Mutsuhiro Ueda"
SakeBrooklyn製造責任者:NYのブルックリン地区にオープン予定のタップルーム併設の醸造所”SakeBrooklyn”で製造責任者就任予定
元 阿部酒造蔵人:2021年9月〜2022年5月まで研修生として阿部酒造で造りを学ぶ。
「阿部酒造卒業生の上田です。SakeBrooklyn Brewing Co.というNYのブルックリンにオープンする酒蔵で製造責任者をする予定です。本当は2022年の夏には渡米して酒造りをしているはずだったのですが、工事等の遅れにより長い待ちぼうけを食らっています。そこでしばらく日本の酒蔵さんを間借りさせていただき、コラボ酒を造らせていただくことになりました。NYで造りたいお酒をイメージして造っているので、是非感想いただきたいです!上田 睦紘」
造り手の上田氏自ら徹底解説!
▼味わい
香り:バナナやマスカットを思わせる爽やかな香りが穏やかに香る。
味:甘みとコクが程よくあり、天然の乳酸菌による乳酸の柔らかくも存在感のある酸味で飲みやすい。モダンさ、上品さを感じる。
テクスチャ:無濾過おりがらみのややざらついたテクスチャ。
▼“味覚の時間軸”を設計
先味、後味という言葉があるように、食べ物や飲み物を口に入れてから感じる味は時間とともに変化します。
パークスロープでは、五味のバランスを平面的に表すレーダーチャートでは表せない”時間軸”を意識して味の設計を行いました。
SakeBrooklynのファウンダーいわく、アメリカ人にには”ボディーが強いのに飲みやすい”味が受けるそうです。
時間軸をうまく使ってそのような味を設計しました。
パークスロープではすっと消える味ではなく、ジワジワと時間を掛けて味わえながらも最後はちゃんとキレるような設計を目指しました。
ポイントは乳酸発酵させた甘酒を四段仕込みとして添加すること。乳酸の酸味はクエン酸などと比較してスロースタートな印象なので、麹の甘み→米のコク→乳酸の酸味の順番でゆっくりと酸が顔を出します。この時間差が、ボディーとしての甘みやコクを感じられる時間を長くしてくれるのです。
ただし酸の量としては豊富にあるため、甘みやコクを長めに感じた後も、重くならず爽やかに締めてくれます。
時間軸を意識して飲んでいただけると嬉しいです!
▼スペック
使用米:五百万石、こしいぶき、越淡麗
精米歩合:60%~80%
使用酵母:協会901号
今回は蔵で余っていたお米を中心に品種とも精米歩合も色々ごちゃまぜで使用しました。
アメリカではカルローズというカリフォルニア州で作られている食用米をメインで使っていく予定です。品種改良の過程で渡船という日本の酒米品種が入っている中粒米だそうです。
NYでカルローズ版のパークスロープのレシピを作るのが楽しみです。
酵母は901を使用。僕のような経験の浅い人間が下手を打っても挽回しやすいので使いやすいんですよね。
▼造りの特徴
乳酸酛四段(乳酸発酵した甘酒):生酛仕込で酵母が立ち上がる前に甘酒が天然の乳酸菌で乳酸発酵したような甘酸っぱい液体の状態があるのですが、その液体を冷凍して上槽直前に四段仕込のように添加しました。が時間差で効いてくる酸味の秘訣です。
無濾過:味の時間軸で説明したように、中盤でゆっくりと感じられるお米のコクをより強化するために、今回は濾過をしていません。これ
▼失敗談
・生酛酒母に失敗
当初は、酒母と冷凍して添加する乳酸酛分もまとめて乳酸発酵させ、1/3を酒母として酵母添加、2/3を冷凍する予定でした。
しかし、仕込んだ液体が糖化だけは進むのですが、2週間経っても全く乳酸発酵する兆しが見えませんでした。
このままにしていても雑菌が湧いてしまうだけだと考え、酒母分には醸造用乳酸と酵母を添加し、無駄に時間のかかった”速醸酛”にする判断をしました。
原因は明確で、まず期初の造りで酛部屋が完全滅菌されて乳酸菌が一切いなかったこと、また仕込み水も水道水(滅菌処理がしっかりされた)を使ったので水の中にも乳酸菌がいなかったことです。
前回の僕たちの酒では水道水を使っても問題なく乳酸発酵したのですが、期の途中だったので他の生酛で育った乳酸菌が酛部屋の中にいて、それが入り込んだのでしょう。
・乳酸酛ではなんとか挽回
このお酒の特徴的な部分である乳酸酛にまで醸造用乳酸を添加するという事態だけは避けたかったので、次の方法で天然の乳酸菌を培養するべくチャレンジしました。
乳酸発酵に失敗した液体(甘酒と同様)を一旦冷凍保存。
山から汲んできた水(天然乳酸菌が豊富)を使用し、ごく少量の仕込みで再度乳酸菌培養にチャレンジ
乳酸菌培養が進んできたら、冷凍しておいた甘酒同様の液体を解凍して合流させ、更に乳酸菌を拡大培養する
この方法でようやく天然乳酸菌の培養によってできる甘酸っぱい液体を作ることができ、当初の商品コンセプトをギリギリ死守することができました。
▼SakeBrooklyn Brewing Co.について
SakeBrooklyn Brewing Co.は、2024年にニューヨーク市ブルックリン区に新しくオープン予定のタップルーム併設型のSAKE醸造所。
アメリカ人の創業者と日本人の造り手によるインターナショナルなチームで、日本の伝統技術とブルックリンのカルチャーが融合した革新的な酒造りを目指します。
(生産者資料より)
『ブッシュウィック』
500ml 2,365円(税込)
SakeBrooklyn Brewing Co.が日本の酒蔵を間借りして造る”SakeBrooklyn LAB”シリーズの第二弾商品。
SakeBrooklynの後藤氏が、クラフトビールの街でもあるブルックリンを意識して設計したビール酵母とコイン精米93%のお米によるお酒です。
"後藤 優希 Yuki Goto"
SakeBrooklyn技術補佐:NYブルックリンにオープン予定のSake Brooklynにて技術補佐として就任予定
東京農大短期大学部醸造学科を卒業後、森島酒造で3年半蔵人をした後、haccobaで蔵人とタンク責任者、木花之醸造所にて技術責任者を経て今に至る。
「後藤です!SakeBrooklyn Brewing Co.というNYのブルックリンにオープンする酒蔵で技術補佐をする予定です。
NYの件は既に1年以上遅れているのですが、最近結婚しましてこれ以上延びるのは勘弁してほしいと思っている次第です。まあ、仕方ないといえば仕方ないんですが!
以前より責任も大きくなったのでNYでの酒造りにより一層邁進していく所存です。その前にNYで造るお酒の骨格だけでも手を動かして造りながら、考えたいということで今回阿部酒造さんにお邪魔になっています!
NYで造りたいお酒、造りやすいお酒をイメージして造っているので、是非とも厳しい意見をいただきたいです!後藤 優希」
造り手の後藤氏自ら徹底解説!
▼味わい
香り:エール酵母由来のエステル香、つまり吟醸香が特徴的に感じられる。
味:玄い米をふんだんに溶かした分、厚い味わいとそれを嫌味なく感じる様に包み込む強い甘さ、全体の雰囲気をシャキッとさせるクエン酸の酸味が心地よい。
テクスチャ:分厚い味わいをダイレクトに感じるためのおりがらみゆえのざらつきが感じられる。
▼NYで実現しやすい酒造り
法制度を抜きにして、清酒が造りやすい環境として日本ほど整った場所は当然ながらありません。
それは、清酒製造に適して育種された酵母、酒造好適米、精米技術、それらの普及が裏打ちしています。
しかしアメリカにおいてはそこまでの環境は整っていません。
「NYの限られた環境で美味いお酒を造るにはどうしたらいいか?」そんな問いの中で精米歩合93%という玄いお米、そしてビール製造に使われるエール酵母を使用し、NYにおいても調達しやすい原料で美味いお酒を造る挑戦をしてみました。
▼スペック
使用米:五百万石、越淡麗
精米歩合:70%~93%
使用酵母:LALBREW VERDANT IPA ale yeast
お米は酒母の麹米以外は、阿部酒造の契約農家である吉澤藤兵衛様と矢島衛様がそれぞれ栽培された五百万石を使用。
コイン精米のお米が全量はなかったため、麹米は70%精米ですが、掛米のほとんどは93%のコイン精米を使用。
▼造りの特徴
・エール酵母
ビール醸造に主に利用される酵母。中でも今回はHazy IPA によく使われる株を使用。
意外にも、ビールの酵母を使用したからといってビールの香りになるわけではなく、清酒酵母で醸造したお酒と区別がつかないかと思います。
それは、エール酵母が出すエステル系の香気成分はほとんど清酒の吟醸香と変わらず、また清酒の香気成分の前駆体の多くは米麹由来だからです。
しかし製造中においてはもちろん違うこともあります。それは低温に弱いという点です。
・磨かないお米
通常の酒造りで使われる磨かれたお米は大変溶けやすい。つまりお酒になりやすいですが。磨かないお米は溶けにくく酒粕が多くなってしまいます。
そこでエール酵母の低温に弱い特性を利用し、通常の酒造りとしては特別低温ではない温度帯でも酵母の働きを抑制することができ、それにより磨かないお米の糖化と溶解を強め、多くのアミノ酸を得ながらバランスの良い味のゴールに持っていくことができました
▼常識的ではない麹造り
他社様の設備を間借りしてレシピからお酒を造らせていただくという経験は初めてのことでした。
もちろん麹造りという酒造りにおいてかなり重要な工程を間借りでやらせていただくのもはじめてです。
今回のお酒はお米を最大限溶かすことを目的に、木花之醸造所で確立した製麴方法を採用しました。
ですが、麹室の形や素材は酒蔵の数ほどあります。
この製麴方法は非常に極端な温度経過をとらせるうえ、乾燥を極力避けるというもので、阿部酒造さんの麹室においてそこまでの保温や保湿ができるのか、読み切れていない中ではじまりました。
結果的には非常に理想的な麹が出来上がりましたが、とても緊張感のある麹造りでした。
▼SakeBrooklyn Brewing Co.について
SakeBrooklyn Brewing Co.は、2024年にニューヨーク市ブルックリン区に新しくオープン予定のタップルーム併設型のSAKE醸造所。
アメリカ人の創業者と日本人の造り手によるインターナショナルなチームで、日本の伝統技術とブルックリンのカルチャーが融合した革新的な酒造りを目指します。
(生産者資料より)
頚城酒造
『SAKE M』
720ml 2,200円(税込)
「SAKE M」にはストーリーがあります。
食の崩壊、家族関係の崩壊、働き方をめぐる問題、人間関係の希薄化、そして景気の悪化等の様々な問題を抱える現代社会。その中で国酒である日本酒は、大きな影響を受け衰退の一途を辿っています。私は、豊かな食卓とそれを彩るお酒が大好きです。そんな現状を打破するために、食育や地域振興、そして日本酒の普及につながるような製品を世に出したいと強く願っていました。
日本海に程近い尾神岳の中腹に位置し、空気が澄み緑豊かな上越市柿崎区東横山集落に、こんこんと湧き出る「大出口泉水」とその名水が流れる棚田があります。日本海も一望できる何百年も続いたその素晴らしい景色は、今消滅の危機に瀕しています。集落に住む人が激減し、耕作放棄される棚田が増え、このままでは名水の管理も危うい状況です。そんな状況を見かねて、私の友人達が立ち上がりました。地元柿崎の農家と造り酒屋の友人です。ただその事業を応援するだけではなく、自分でも何かできないか、真剣に考えました。そして、今こそ自身の想いを体現することが、この水が後世に繋がる大きな力になるのではと考え、「SAKE M」のプロデュースを友人達に願いでました。
「SAKE M」には、そんな私の情熱が込められています。
ただ、私一人では事業を継続できる大きな力はありません。私の想いに共感いただく皆様に、ご協力を頂くことで、はじめて成果を生みだすことができます。大出口泉水の、その水によりつくられたお米の、そして精魂込めて醸された日本酒の素晴らしさを、是非とも一人でも多くの方に伝えていただくことが私の願いです。この想いをご支持いただき、共有いただける皆様、是非とも当該製品のお取扱いにご協力ください。そして、いつの日か大出口泉水に来訪いただき、「SAKE M」をお取扱いいただくことが、この美しい景色を守る第一歩となることを、是非実感下さい。
▼味わいの特徴
名水が流れる棚田で育った山田錦を名水で仕込んだお酒は、食中で活きる「淡麗辛口」を目指し醸しました。一切の濾過を行わず、瓶燗にて一度のみ火入れをしたこのお酒は、上品な香りと口当たりの米の旨味、そして最高の後口のキレを併せ持つ、新しいタイプの淡麗辛口清酒です。
(生産者資料より)
高千代酒造
『高千代 純米しぼりたて 生原酒』
1800ml 2,970円(税込) 720ml 1,650円(税込)
新酒らしいフレッシュな味わいと扁平精米ならではの上質感ある旨味とリンゴのようなフレッシュな酸味が特徴。
少し荒々しさもあり時間と共にマイルドに変化する味わいをお楽しみください。
(生産者資料より)
河忠酒造
『想天坊 本醸造 熟成燗酒』
1800ml 2,139円(税込)
想天坊の定番酒「本醸造」に、燗酒専用に500日以上熟成させた酒をブレンドした限定酒です。元来燗酒に向いている「想天坊」ですが、さらにその特徴を引き出そうと河忠酒造九代目が酒質設計しました。
熟成により落ち着きが増し、ふくよかさ、やわらかさ、旨味のバランスに優れた味わいです。本醸造ならではのキレ、あとくちの良さもあります。香りは控えめですので、お燗の香りが苦手な人にもおすすめです。
お燗の温度により微妙な味わいの変化が楽しめます。どんな料理とも比較的相性は良いですが、ぬる燗で旨味成分の強い素材、料理(煮物、鍋物等)と合わせると、お互いの旨味、美味しさが一層引き立ちます。
(生産者資料より)
新澤醸造店
『あたごのまつ 純米吟醸 ささら おりがらみ生酒』
1800ml 3,190円(税込) 720ml 1,650円(税込)
いち早く新米を精米して醸した、新米新酒第一号となるおりがらみ生酒です。
青リンゴを思わせるフレッシュな味わいが口いっぱいに広がり、心地よい酸味が余韻を残しながら綺麗に消えていく酒質です。
新酒らしく、若々しい溌溂とした食中酒です。
おりがらみ生酒…お酒を搾った後に火入れ処理をしていないにごり酒。よりフレッシュ感を味わえます。冷蔵保管の他、製造月より3ヶ月以内の飲み切りにご協力をお願いいたします。
[受賞歴]
・オリエンタルサケアワード2022【金賞】
[味わい]
フレッシュ・やや軽快・キレがある
[香り]
青リンゴ
[相性の良い料理・食材]
魚介類全般・牡蠣・白子
(生産者資料より)
清水清三郎商店
『作 穂乃智 純米酒』
720ml 3,520円(税込)
甘く爽やかでバランスのよいライチのような香り。
米の旨味もしっかりと感じさせながら、後味はすっきりとしたキレの良さがあります。滑らかな甘みと軽快なのど越しをあわせ持った純米酒です。冷やしてもお燗でも美味しく召し上がれます。
(生産者資料より)