阿部酒造
パークスロープ
※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
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商品名:パークスロープ / Park Slope 生産者:阿部酒造 生産地:新潟県 / 柏崎市 酒米:五百万石、こしいぶき、越淡麗 特定名称:非公開 アルコール度数:15% 保存方法:要冷蔵 |
SakeBrooklyn Brewing Co.が日本の酒蔵を間借りして造る”SakeBrooklyn LAB”シリーズの第一弾商品。
阿部酒造卒業生であるSakeBrooklynの上田氏が卒業作のレシピを基にブラッシュアップ。NYでの定番商品になるよう伝統的な製法を使いつつもモダンな味わいを目指しました。
"上田 睦紘 Mutsuhiro Ueda"
SakeBrooklyn製造責任者:NYのブルックリン地区にオープン予定のタップルーム併設の醸造所”SakeBrooklyn”で製造責任者就任予定
元 阿部酒造蔵人:2021年9月〜2022年5月まで研修生として阿部酒造で造りを学ぶ。
「阿部酒造卒業生の上田です。SakeBrooklyn Brewing Co.というNYのブルックリンにオープンする酒蔵で製造責任者をする予定です。本当は2022年の夏には渡米して酒造りをしているはずだったのですが、工事等の遅れにより長い待ちぼうけを食らっています。そこでしばらく日本の酒蔵さんを間借りさせていただき、コラボ酒を造らせていただくことになりました。NYで造りたいお酒をイメージして造っているので、是非感想いただきたいです!上田 睦紘」
造り手の上田氏自ら徹底解説!
▼味わい
香り:バナナやマスカットを思わせる爽やかな香りが穏やかに香る。
味:甘みとコクが程よくあり、天然の乳酸菌による乳酸の柔らかくも存在感のある酸味で飲みやすい。モダンさ、上品さを感じる。
テクスチャ:無濾過おりがらみのややざらついたテクスチャ。
▼“味覚の時間軸”を設計
先味、後味という言葉があるように、食べ物や飲み物を口に入れてから感じる味は時間とともに変化します。
パークスロープでは、五味のバランスを平面的に表すレーダーチャートでは表せない”時間軸”を意識して味の設計を行いました。
SakeBrooklynのファウンダーいわく、アメリカ人にには”ボディーが強いのに飲みやすい”味が受けるそうです。
時間軸をうまく使ってそのような味を設計しました。
パークスロープではすっと消える味ではなく、ジワジワと時間を掛けて味わえながらも最後はちゃんとキレるような設計を目指しました。
ポイントは乳酸発酵させた甘酒を四段仕込みとして添加すること。乳酸の酸味はクエン酸などと比較してスロースタートな印象なので、麹の甘み→米のコク→乳酸の酸味の順番でゆっくりと酸が顔を出します。この時間差が、ボディーとしての甘みやコクを感じられる時間を長くしてくれるのです。
ただし酸の量としては豊富にあるため、甘みやコクを長めに感じた後も、重くならず爽やかに締めてくれます。
時間軸を意識して飲んでいただけると嬉しいです!
▼スペック
使用米:五百万石、こしいぶき、越淡麗
精米歩合:60%~80%
使用酵母:協会901号
今回は蔵で余っていたお米を中心に品種とも精米歩合も色々ごちゃまぜで使用しました。
アメリカではカルローズというカリフォルニア州で作られている食用米をメインで使っていく予定です。品種改良の過程で渡船という日本の酒米品種が入っている中粒米だそうです。
NYでカルローズ版のパークスロープのレシピを作るのが楽しみです。
酵母は901を使用。僕のような経験の浅い人間が下手を打っても挽回しやすいので使いやすいんですよね。
▼造りの特徴
乳酸酛四段(乳酸発酵した甘酒):生酛仕込で酵母が立ち上がる前に甘酒が天然の乳酸菌で乳酸発酵したような甘酸っぱい液体の状態があるのですが、その液体を冷凍して上槽直前に四段仕込のように添加しました。が時間差で効いてくる酸味の秘訣です。
無濾過:味の時間軸で説明したように、中盤でゆっくりと感じられるお米のコクをより強化するために、今回は濾過をしていません。これ
▼失敗談
・生酛酒母に失敗
当初は、酒母と冷凍して添加する乳酸酛分もまとめて乳酸発酵させ、1/3を酒母として酵母添加、2/3を冷凍する予定でした。
しかし、仕込んだ液体が糖化だけは進むのですが、2週間経っても全く乳酸発酵する兆しが見えませんでした。
このままにしていても雑菌が湧いてしまうだけだと考え、酒母分には醸造用乳酸と酵母を添加し、無駄に時間のかかった”速醸酛”にする判断をしました。
原因は明確で、まず期初の造りで酛部屋が完全滅菌されて乳酸菌が一切いなかったこと、また仕込み水も水道水(滅菌処理がしっかりされた)を使ったので水の中にも乳酸菌がいなかったことです。
前回の僕たちの酒では水道水を使っても問題なく乳酸発酵したのですが、期の途中だったので他の生酛で育った乳酸菌が酛部屋の中にいて、それが入り込んだのでしょう。
・乳酸酛ではなんとか挽回
このお酒の特徴的な部分である乳酸酛にまで醸造用乳酸を添加するという事態だけは避けたかったので、次の方法で天然の乳酸菌を培養するべくチャレンジしました。
乳酸発酵に失敗した液体(甘酒と同様)を一旦冷凍保存。
山から汲んできた水(天然乳酸菌が豊富)を使用し、ごく少量の仕込みで再度乳酸菌培養にチャレンジ
乳酸菌培養が進んできたら、冷凍しておいた甘酒同様の液体を解凍して合流させ、更に乳酸菌を拡大培養する
この方法でようやく天然乳酸菌の培養によってできる甘酸っぱい液体を作ることができ、当初の商品コンセプトをギリギリ死守することができました。
▼SakeBrooklyn Brewing Co.について
SakeBrooklyn Brewing Co.は、2024年にニューヨーク市ブルックリン区に新しくオープン予定のタップルーム併設型のSAKE醸造所。
アメリカ人の創業者と日本人の造り手によるインターナショナルなチームで、日本の伝統技術とブルックリンのカルチャーが融合した革新的な酒造りを目指します。
(生産者資料より)
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▼阿部酒造(商品一覧)
1804年創業の新潟県柏崎市の酒蔵。
2015年廃業予定の蔵に6代目の阿部裕太氏が戻り「あべ」ブランドを展開。
①リストランテの最初から最後まで
②常に発酵を楽しむ
③”圧倒的に”うまいを目指す
④常に挑戦者であれ
という製造方針を基に酒造りを行っています。
酒造りは若い蔵人と知的好奇心を軸に、既存の枠組みに囚われず自分たちが造りたい、飲みたい酒を造ります。そしてただの美味しいに満足しない「圧倒的にうまい」プロダクトを造ります。
原料は新潟の米と水で製造し、蔵のある柏崎エリアを酒米の産地にするべく契約農家とタッグを組んで取り組んでいます。
また、業界の活性化のため研究生を受け入れ、若手蔵人の育成や新たな酒造りに力を注いでいます。
(蔵元資料より一部抜粋)
